【3分で簡単理解】ファクタリングとは借りない資金調達!わかりやすく図解で仕組みを解説
- ファクタリングとはどんなサービス?仕組みと特徴
- 会社だけでなく個人でも資金調達できる?
- 利用の流れと安全性について
ファクタリングとは、入金待ちの請求書(売掛債権)や給料を買い取ってもらうことで支払日よりも先に現金を受け取ることができるサービスの総称です。
最短で即日(当日)、遅くとも数日以内には入金が行われるため、時間がない方や何かしらの理由で金融機関から融資を受けられない方に「新しい資金調達手段」として近年注目を集めています。
このページではファクタリングの利用をお考えの方に向けて、ファクタリングの仕組みや特徴、資金調達完了までの流れを注意点も交えて解説します。
ファクタリングとは?
一言で言えば未来の収入を先に受け取る前借りのようなイメージです。
一般的にファクタリングは中小企業や個人事業主向けを指し、ファクタリング会社に手数料を払う代わりに請求書(売掛金)を買い取ってもらい、実際の支払日よりも前に現金化できます。
個人向けの場合は「給料ファクタリング」と呼ばれ、手数料を払うことでまだ受け取っていない給料を先に現金化します。
ファクタリングのメリット・デメリット
- 最短即日で資金調達が可能
- 過去の信用情報の影響を受けない審査基準
- 保証人や担保が不要
- 売掛先が倒産しても回収義務がない
ファクタリング最大の魅力は、何よりもまず資金調達完了までのスピードです。銀行などの一般融資は審査に何週間も要するため、いざという時に頼りになることが最も大きいメリットでしょう。
またファクタリングは融資ではなく債権の買取であり、信用情報の影響を受けません。
つまり売掛金(請求書)が本物である証明と、売掛先企業の安定性が認められれば、もし税金の未払いや債務超過があったとしても審査が突破可能です。
また、ファクタリングでは保証人や担保の提出が不要で、万が一売掛先が未払いや破綻を起こしたとしても、売った本人・企業がその支払の責任を負うことはありません。※売上債権に償還請求権が適応されないため。
- 手数料が高い
- 債権譲渡登記が必要な場合がある
ファクタリングの契約時に発生する手数料は、銀行やノンバンクからの融資の金利よりも高めに設定されています。
また買取金額が高額(数百万円~数千万円以上)になると、売掛金の受け取り権利がファクタリング会社にあることを公的に証明するため、登記簿謄本に債権譲渡登記(記録)を行うことが契約条件となる場合があります。
ファクタリング会社が買い取った売掛金を受け取り次第、その記録を消しますので一生残ったままという訳ではありませんが、記録中は登記情報を取得すれば誰でも譲渡の事実を知ることができる状態であり、第三者に知られるというリスクが発生します。
ただ取引先会社や一般人が登記情報を調査する可能性は低いのでそこまで気にする必要はありませんが、登記には数万円の費用が発生し手数料に加えて負担する必要があるため、どちらかと言えばこのデメリットの方が大きいかも知れませんね。
資金調達の現実性の高さとスピード・緊急性などに対し、調達コストが見合うかを見て判断しましょう。
ファクタリングの仕組みと特徴
ファクタリングには2種類の取引方法があり、利用者とファクタリング会社の2者で完結する「2社間ファクタリング」と、そこに売掛先企業も加え3者で取引を行う「3者間ファクタリング」です。
手数料や取引完了までのスピードなど仕組みが異なるので、まずその違いを解説します。
2社間ファクタリングとは
2社間ファクタリングは利用者(自社)とファクタリング会社の2社間で手続きを行う取引です。
売掛先に債権を譲渡した旨の通知や承諾が不要であり、基本的に第三者に知られる事無く資金調達する事が可能な点が最大のメリットと言えるでしょう。かつ取引がスムーズで、資金調達完了までのスピードも必然的に早くなります。
入金スピード | 最短即日 |
---|---|
取引先への通知 | なし |
手数料 | 高い |
3社間ファクタリングとは
3社間ファクタリングは文字通り、利用者(自社)とファクタリング会社に加え、売掛先企(債務者)も交えた3社間で行う取引です。
取引先に債権譲渡(ファクタリング利用)を承諾してもらう必要があり、契約となった場合売掛金の振込先もファクタリング会社に指定されます。
2社間と比較し契約完了まで時間が掛かってしまうことや、取引先へ理解してもらえるかがネックでしょう。
ただファクタリング会社としてはより確実に売掛金を受け取ることができるため、買取手数料は2社間よりも下がりますし、審査も当然通りやすくなります。
入金スピード | 1日~1週間以上 |
---|---|
取引先への通知 | 承諾が必須 |
手数料 | 低い |
必要書類を確認
契約時に必要な書類を事前に用意しておくと審査がスムーズです。即日現金化をお考えの場合、書類一式を遅くとも午前中には揃える必要があるでしょう。
- 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 決算書 直近過去2~3期分で表紙・貸借対照表・損益計算書・販売費及び一般管理費明細書等の一部分
- 法人印鑑証明書
- 会社用の通帳一部コピー
- 売掛先への請求書や営業実体資料
- 今期の試算表など現状の売上や今後の展望がわかるもの
利用される方の状況をファクタリング会社も理解しているので、決算書や営業実体が赤字でも問題はありません。
重要なのは過去定期的に売掛金が発生し、期日通りに入金されているサイクルがあるか、提示された取引に嘘がないかなど、買取予定の売掛金が事実存在するのかの裏付けが取れるか否かです。
本来通帳の一部など提出したくない方も多いと思いますが、2社間取引の場合は取引先への反面確認が行えないので、代わりに銀行を通しての存在確認をファクタリング業者は行います。
現金を本来の期日前に得たとしても、明らかに破綻する状況・売掛金の支払いまでも会社が持つか疑問な場合、流石にファクタリング会社も躊躇してしまうでしょう。
ファクタリングの手数料はどのくらい?
相場は次の掛け目(買取率)となっています。
ファクタリング手数料相場 | |
---|---|
15%~30% ※2社間ファクタリング | 1%~10% ※3社間ファクタリング |
ファクタリングの手数料は2社間・3社間とで大きく異なり、また買取の売掛金額によっても変動します。(当然買取金額が大きければ手数料も減少します)
2社間は3社間と比較しファクタリング業者のリスクが高いため手数料が高めになるので、その点を加味し取引形態を選ぶことになるでしょう。
リスクに対しての金額
2社間取引の場合、売掛先企業に債権譲渡の事実を通知しません。
そのため請求書に記載された口座に通常通り入金を行ってもらい、着金後にファクタリング会社に相談企業が送金をする流れとなります。
ファクタリング会社からすると一旦顧客側口座に振り込まれることはリスクでしかなく、例えば他の用途に転用されてしまったり、最悪の場合持ち逃げされる危険性があります。
ファクタリングのデメリットの項目で「債権譲渡登記」を求められるケースがあると説明しましたが、逆にこれを行っていない場合はまさしく第三者は債権譲渡の事実を知る術がありません。
手数料には諸費用も含まれる
手数料には純粋なファクタリング会社の利益だけでなく印紙代や、場合によっては交通費なども含まれます。手数料の内訳が気になる場合、しっかり諸経費も開示してもらうようにして下さい。
ファクタリングの法律上の扱いは?
ファクタリングは違法ではなく認められたサービスです。
しかしファクタリング業者を装い事実上の貸金業を行っている業者が存在することも事実で、そういった業者が問題となり「ファクタリングは違法」「ファクタリングはヤミ金」などと称されるケースがあります。
- 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約束することによって、その効力を生ずる。
2社間ファクタリングは債権(売掛金)を譲渡・売却し、その対価として金銭を得るため売買契約に該当します。ではその債権が財産として認められるかは以下を参照。
- 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
- 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
民法では債権を財産権として捉えていて、原則として自由に譲渡でき取引の対象であることがわかります。
債権譲渡通知や債務者の同意も不要となっており、当事者(ファクタリング利用者・ファクタリング会社)の意思の合致のみで契約が成立し、2社間取引も問題はありません。
他にも関係のある法律はありますが、大枠は以上の2つに集約されています。違法となるケースは貸金業に抵触しているか否かがポイントです。
ヤミ金?違法性のあるファクタリングとは
上記の場合、出資法違反・貸金業法違反の犯罪となります。ファクタリングはその性質上、いわゆるヤミ金業者が入り込みやすいので注意が必要です。
ファクタリングが必要な時は、切羽詰まっていたり冷静な判断が取れていない状況である可能性もあります。違法だと気付いても、目の前の現金欲しさに契約してしまう方もいるのでそれは絶対に止めてください。
もし契約内容に違和感を覚えたらそれ以上関わることを控えるようにしましょう。悪質な業者は顧客情報をグループ内で回しているので、見に覚えのない業者からの連絡も対応しては駄目です。
以上の事から業者選びは慎重になる必要がありますが、ファクタリング自体は緊急時の重要な資金調達手段であることに間違いはなく、違法性もありません。
当サイトでは管理人が実際に利用してみて問題のないファクタリング業者を中心に紹介・記事の作成を行っておりますので、ぜひご利用検討時は参考にしてください。
給料ファクタリングについて
給料ファクタリングは、会社から支給される次回分の給料(給料債権)を買い取ってもらい、給料日前に現金化するサービスです。個人ファクタリングとも呼ばれます。
給料ファクタリングについては以下でも詳しく解説しています。
※※関連記事リンク※※
まとめ
ファクタリングの主な仕組みとその特徴について紹介しました。
- ファクタリングは入金待ちの請求書(売掛債権)を買取ってもらうサービス
- 最短即日で資金調達可能
- 手数料が高いので、継続的な利用には向かない
融資を受けることが困難な状況でも資金調達が可能なファクタリングですが、手数料が存在する以上、潜在的な財産は目減りしますし、それは経営上のリスクとなります。
しかし現金があることによって打破できる危機も多く、試算をしっかりと立て計画的な利用を行えば非常に強い武器となるので仕組みを覚えておきましょう。